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顧客体験の解説 | ライブ配信アプリ |「SHOWROOM」から学ぶ
ファンとの交流施策事例

 
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 今回はライブ配信アプリの"継続課金"の事例として、"SHOWROOM"の事例を紹介します。このケーススタディでは、応援しているアイドルと繋がりを持つことで癒されたいと考えている男性(28歳)が、ライブ配信アプリでアイドルと交流できることを知り課金するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

ファンとの交流

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継続課金

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「SHOWROOM」を例に、ライブ配信アプリ上でのファンとの交流が課金を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、ファンとの交流のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規課金さらには継続課金させるに至ったのか、そのプロセスから「ファンとの交流で新規課金を促進する」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

応援しているアイドルと
繋がりを持つことで、癒されたい

一人で寂しいときに応援しているアイドルと繋がりを持つことで癒され、寂しさを解消したい。
(28歳男性 神奈川県)

西野さん 28歳(仮名)
パート・アルバイト

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。SHOWROOMに継続課金するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。西野さん(28歳男性 神奈川県)は「応援しているアイドルと繋がりを持つことで、癒されたい」と考えている方です。世帯年収200~400万円未満ほどでパート・アルバイト、未婚の男性です。

 西野さんは「一人で寂しいときに応援しているアイドルと繋がりを持つことで癒され、寂しさを解消したい」と話していました。

 では、このような状態の西野さんに、SHOWROOMがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”SHOWROOMで成立した価値”

※1

好きなアイドルが
一番近くに感じられる

ブランドが果たした役割

 西野さんは現在、SHOWROOMで継続課金しています。最初は「コロナ禍でアイドルと交流できる機会がなくなっても、ライブ配信で課金すれば名前を呼ばれたり、質問に答えてもらったりできると知った」と話していました。実際に課金してみると、課金をすることでアイドルが自分を認知してくれて、他のファンよりも深く交流できている気持ちになると感じました。また、「ネットサービスの中でも特にアイドルが一番近くに感じられる交流ツールである」ということに気づき、継続課金するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 西野さんはSHOWROOMで課金する以前、「コロナ禍で自粛生活が続き、一人でいると寂しい」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、SHOWROOMで課金することにより、「ネットサービスの中でも特にアイドルが一番近くに感じられる交流ツールである」と感じ、さらに、SHOWROOMで課金していくうちに、「課金すると名前を呼んでもらえたり、質問に答えてくれたりすることでアイドルとの交流が深まると、自分にも自信を持つことができる」ということに気づき、継続的に課金するようになりました。
図解

SHOWROOMの顧客体験事例から紐解く

「ファンとの交流で課金を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「ファンとの交流で課金を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、西野さんは元々「一人で寂しいときに応援しているアイドルと繋がりを持つことで癒され、寂しさを解消したい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、コロナ禍でアイドルと交流できる機会がなくなっても、ライブ配信で課金すれば名前を呼ばれたり、質問に答えてもらったりできると知り、課金するに至りました。
 その後、SHOWROOMで継続して課金していく中で、「課金をすることでアイドルが自分を認知してくれて、他のファンよりも深く交流できている気持ちになれる」と感じ、「ネットサービスの中でも特にアイドルが一番近くに感じられる交流ツールである」という価値が成立して、継続利用・継続課金に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷

応援しているアイドルと繋がりを持つことで癒され、寂しさを解消したいケース

ファンとの公式交流ツールとしてライブ配信を活用

結果

応援しているアイドルと繋がりを持つことで癒され、寂しさを解消したい生活者が、配信で課金すれば自分を認知してもらえて交流が深まると気づき、課金に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。コロナ禍でアイドルと交流できる機会がなくなっても、応援しているアイドルと繋がりを持つことで癒され、寂しさを解消したいと考えている生活者が、課金すれば自分を認知してもらえて交流が深まると気づき、課金に至っています。生活者はネットサービスの中でも、アイドルが一番近くに感じられる交流ツールとしてライブ配信を利用しており、課金すれば質問に答えてくれて、名前も読んでもらえるため、自分に自信が持てるようになると感じて継続課金に至っています。

 この構造を応用することで、課金により、他のファンとは違う特別な扱いを受けられることが、生活者に喜びを感じさせ、課金を促していると考えられます。交流ツールとしてライブ配信を活用する中で、それぞれのファンの課金額の差が表れるような仕組みや、メンバーの中で、どのアイドルが一番課金されているのかがわかるような仕組みにすることで、ファンの課金欲を掻き立てられると考えられます。

 上図のような生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を実際のマーケティング施策で役立てる方法や、マーケティング施策に使えるカスタマージャーニーの創り方については「カスタマージャーニーの教科書」に掲載しております。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。