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顧客体験の解説 | 調理家電 |「炊飯器」から学ぶ
メーカーHP施策事例

 
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 今回は調理家電の"顧客満足の獲得"の事例として、"炊飯器(パナソニック)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、家族の食の楽しみを支えたい女性(42歳)が、メーカーHPの製品情報を見たことで新規購入し、その後顧客満足の獲得に至った、という顧客体験をご紹介します。
 

メーカーHP
施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「炊飯器」を例に、メーカーHPが新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、メーカーHPのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには顧客満足の獲得に至ったのか、そのプロセスから「メーカーHPで新規購入を促進する」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

主婦として、
家族の食の楽しみを支えたい

主婦として、食べるのが好きな家族の食の楽しみを支えられる存在でありたい。(42歳女性 愛知県)

吉澤さん 42歳(仮名)
専業主婦

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。炊飯器を継続的に利用し満足するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。吉澤さん(42歳女性 愛知県)は「主婦として、家族の食の楽しみを支えたい」と考えている方です。世帯年収600~800万円未満ほどで専業主婦、既婚の女性です。

 吉澤さんは「主婦として、食べるのが好きな家族の食の楽しみを支えられる存在でありたい」と話していました。

 では、このような状態の吉澤さんに、炊飯器がどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”炊飯器で成立
した価値”

※1

家族の健康や美味しい
食生活に欠かせない存在

ブランドが果たした役割

 吉澤さんは現在、炊飯器を継続的に利用し満足するに至っています。最初は「メーカーHPで価格帯によるお米の炊き上がりの違いを調べ、具体的な製品情報を比較し、価格と性能に納得して購入した」と話していました。美味しいご飯があるだけで毎日の楽しみができて、家族もニコニコ幸せそうにご飯を食べてくれると感じました。また、「家族の毎日の健康や美味しい食生活に欠かせない存在として役立っている」ということに気づき、継続的に利用し満足するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 吉澤さんは炊飯器を購入する以前、「美味しいご飯がないと食べる楽しみが半減する」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、炊飯器を購入することにより、「家族の毎日の健康や美味しい食生活に欠かせない存在として役立っている」と感じ、さらに、炊飯器を利用していくうちに、「炊飯器の驚くべき進化と機能の充実で、ボタン一つで美味しいご飯が誰でも簡単に炊けるため助かっている」ということに気づき、満足に至りました。
図解

炊飯器の顧客体験事例から紐解く

「メーカーHPで新規購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「メーカーHPで新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、吉澤さんは元々「主婦として、食べるのが好きな家族の食の楽しみを支えられる存在でありたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、メーカーHPで価格帯によるお米の炊き上がりの違いを調べ、具体的な製品情報を比較し、価格と性能に納得して購入するに至りました。
 その後、「美味しいご飯があるだけで毎日の楽しみができて、家族もニコニコ幸せそうにご飯を食べてくれる」と感じ、「家族の毎日の健康や美味しい食生活に欠かせない存在として役立っている」という価値が成立して、継続的に利用し満足するに至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

社会的負荷

食べるのが好きな家族の食の楽しみを支えられる存在でありたいと考えているケース

メーカーHPで製品ごとに
価格や性能の比較が
できるように掲示

結果

家族の食の楽しみを支えられる存在でありたいと考えている生活者が、メーカーHPで具体的な製品情報を比較し、価格と性能に納得して購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。食べるのが好きな家族の食の楽しみを支えられる存在でありたいと考えている生活者が、利用していた炊飯器の劣化を感じて、買い替えを検討している時に、メーカーHPで具体的な製品情報を比較し、価格や性能に納得した上で購入に至っています。購入後、家族がニコニコと幸せそうにご飯を食べてくれるのでうれしいと感じ、炊飯器が毎日の健康や美味しい食生活に欠かせない存在として役立ってくれていると満足しています。

 この構造を応用することで、生活者に購入前の時点で、価格による製品ごとの性能の違いを理解させておくことで期待との不一致を防げるため、購入後の顧客満足の獲得に繋がると考えられます。また、商品やサービスにより、生活者のライフスタイルが好転していく様子や、生活者の理想の自分像に近づけるイメージを訴求することで、新規購入を促進できる可能性があります。

 上図のような生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を実際のマーケティング施策で役立てる方法や、マーケティング施策に使えるカスタマージャーニーの創り方については「カスタマージャーニーの教科書」に掲載しております。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。