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顧客体験の解説 | 加工調味料 |「丸美屋 麻婆豆腐」から学ぶテレビCM施策事例
今回は加工調味料の"継続購入"の事例として、"丸美屋 麻婆豆腐"の事例を紹介します。このケーススタディでは、手軽に作れて子供が喜ぶ料理をお腹いっぱい食べさせたい男性(30歳)が、テレビCMを見たことで新規購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「丸美屋 麻婆豆腐」を例に、テレビCMが新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、テレビCMのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには継続購入するに至ったのか、そのプロセスから「テレビCMで新規購入を促進する」施策の学びを読み解き、解説していきます。
手軽に作れて子供が喜ぶ料理を
お腹いっぱい食べさせたい
料理の時間がとれなくても手軽に、子供が喜ぶ料理をお腹いっぱい食べさせたい。(30歳男性 埼玉県)
まず、生活者と課題を見ていきましょう。丸美屋 麻婆豆腐を継続購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。本田さん(30歳男性 埼玉県)は「手軽に作れて子供が喜ぶ料理をお腹いっぱい食べさせたい」と考えている方です。世帯年収800~1000万円ほどで会社員、既婚の男性です。
本田さんは「料理の時間がとれなくても手軽に、子供が喜ぶ料理をお腹いっぱい食べさせたい」と話していました。
では、このような状態の本田さんに、丸美屋 麻婆豆腐がどのような変化をもたらしたのかを解説します。
”丸美屋 麻婆豆腐で成立した価値” ※1 |
= |
手軽でおいしくできるので、 忙しい社会人の味方である |
ブランドが果たした役割
本田さんは現在、丸美屋 麻婆豆腐を継続購入しています。最初は「子供が麻婆豆腐が好きで作ってあげようと思っていたとき、テレビCMを見て興味を抱いたため購入した」と話していました。実際に購入してみると、大抵のスーパーで購入できて、子供がとても喜んでくれるメニューが簡単に作れるので自分も嬉しい気持ちになると感じました。また、「時間がなくても手軽においしい料理ができて、忙しい現代社会人の味方になってくれる」ということに気づき、継続購入するに至ったと考えられます。
顧客体験の変化
本田さんは丸美屋 麻婆豆腐を購入利用する以前、「子供が喜ぶ料理をお腹いっぱい食べさせたいのに、忙しいと料理の時間がとれない」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、丸美屋 麻婆豆腐を購入することにより、「時間がなくても手軽においしい料理ができて、忙しい現代社会人の味方になってくれる」と感じ、さらに、丸美屋 麻婆豆腐を利用していくうちに、「一から麻婆豆腐を作る必要がないので料理の時間が短縮され、子供との時間をとれるようになった」ということに気づき、継続的に購入するようになりました。
本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「テレビCMで新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
このストーリーでは、本田さんは元々「料理の時間がとれなくても手軽に、子供が喜ぶ料理をお腹いっぱい食べさせたい」という課題認識を持っていました。
そんな時、子供が麻婆豆腐が好きで作ってあげようと思っていたとき、テレビCMを見て興味を抱いたため、購入するに至りました。
その後、丸美屋 麻婆豆腐を継続して利用していく中で、「大抵のスーパーで購入できて、子供がとても喜んでくれるメニューが簡単に作れるので自分も嬉しい気持ちになる」と感じ、「時間がなくても手軽においしい料理ができて、忙しい現代社会人の味方になってくれる」という価値が成立して、継続購入に至りました。
応用可能性~本事例の学び
課題
時間をかけずに手軽に料理したい+子どもが喜ぶメニューにしたいケース
結果
料理の時間がとれなくても、手軽に子供が喜ぶ料理を作ってお腹いっぱい食べさせたい生活者が、子供が好きな麻婆豆腐を作ってあげたいと思っていた時にテレビCMを見て興味をもち購入している。
今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。料理の時間をとれないので手軽に調理ができ、かつ子供が喜ぶ料理でおなかいっぱい食べさせたいと考えている生活者が、子供の好きな麻婆豆腐を作ってあげたいと思っていたときにテレビCMを見て興味を抱き購入しています。子供が喜んでくれる料理が簡単にできて、どこでも商品を手に入れられるため、忙しい現代社会人の味方となってくれる良い商品だと感じ継続購入に至っています。
この構造を応用することで、購入者が商品を利用した時に感じられる機能的価値だけでなく、その商品を共有したコミュニティ内の人(家族や友人など)が喜んでくれるといった情緒的価値を想起できるコミュニケーションをとることが購入の後押しとなり、新規購入や継続購入を促すことができると考えられます。
上図のような生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を実際のマーケティング施策で役立てる方法や、マーケティング施策に使えるカスタマージャーニーの創り方については「カスタマージャーニーの教科書」に掲載しております。
注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。
※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。
「カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。
https://www.journey-navi.com/