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顧客体験の解説 | Web会議システム |「Zoom」
から学ぶ会議や習い事のオンライン化施策事例
今回はWeb会議システムの"継続利用"の事例として、"Zoom"の事例を紹介します。このケーススタディでは、対面レッスンや会議ができなくなり、不安を感じている女性(33歳)が、会議や習い事のオンライン化が導入されたことで利用するに至った、という顧客体験をご紹介します。
今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「Zoom」を例に、Web会議システム上での会議や習い事のオンライン化が利用を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、会議や習い事のオンライン実施のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規利用さらには継続利用させるに至ったのか、そのプロセスから「会議や習い事のオンライン化で新規利用を促進する」施策の学びを読み解き、解説していきます。
対面レッスンや
会議ができなくなり、不安。
コロナの影響で、何か月も対面レッスンや子供の役員会議ができなくなり、
コロナの問題が解決するまで再開できないのではないかと不安。(33歳女性 千葉県)
まず、生活者と課題を見ていきましょう。Zoomを継続利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。篠田さん(33歳女性 千葉県)は「対面レッスンや会議ができなくなり、不安である」と考えている方です。世帯年収600~800万円未満ほどで専業主婦、既婚の女性です。
篠田さんは「コロナの影響で、何か月も対面レッスンや子供の役員会議ができなくなり、コロナの問題が解決するまで再開できないのではないかと不安」と話していました。
では、このような状態の篠田さんに、Zoomがどのような変化をもたらしたのかを解説します。
”Zoomで成立した価値” ※1 |
= |
感染症問題の最中でも コミュニケーションがとれる |
ブランドが果たした役割
篠田さんは現在、Zoomを継続利用しています。最初は「学校役員でのオンライン会議やオンラインレッスンでWeb会議システムが導入されたため利用を開始した」と話していました。実際に利用してみると、Web会議システムでのレッスンでは音を相手に聴かせる事ができるし、楽器の演奏姿も相手に見せることができると感じました。また、「会えない相手と遠隔でも顔を見ながら話ができるため、感染症が落ち着くまで待たなくてもコミュニケーションがとれる」ということに気づき、継続利用するに至ったと考えられます。
顧客体験の変化
篠田さんはZoomを利用する以前、「コロナの影響で、何か月も対面レッスンや子供の役員会議ができなくなり、再開の目途が立たず不安である」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、Zoomを利用することにより、「会えない相手と遠隔でも顔を見ながら話ができるため、感染症が落ち着くまで待たなくてもコミュニケーションがとれる」と感じ、さらに、Zoomを利用していくうちに、「介護施設にいる家族とのオンライン面会や、友人とのオンライン飲み会で活用しているが、お互いに現状を報告し合って相手の様子を把握できるので助かっている」ということに気づき、継続的に利用するようになりました。
「会議や習い事のオンライン化で利用を促進する」の成功要因
本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「会議や習い事のオンライン化で利用を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
このストーリーでは、篠田さんは元々「コロナの影響で、何か月も対面レッスンや子供の役員会議ができなくなり、コロナの問題が解決するまで再開できないのではないかと不安である」という課題認識を持っていました。
そんな時、学校役員でのオンライン会議やオンラインレッスンでWeb会議システムが導入されたため利用するに至りました。
その後、Zoomを継続して利用していく中で、「Web会議システムで、レッスンでは音を相手に聴かせる事ができるし、楽器の演奏姿も相手に見せることができる」と感じ、「会えない相手と遠隔でも顔を見ながら話ができるため、感染症が落ち着くまで待たなくてもコミュニケーションがとれる」という価値が成立して、継続利用に至りました。
応用可能性~本事例の学び
課題
コロナの影響で、何か月も対面レッスンや会議ができなくなって不安を感じているケース
結果
コロナの影響で、対面レッスンや学校の役員会議ができず不安だった生活者が、オンラインレッスンの受講のためにWeb会議システムをダウンロードしたことで、遠隔でも顔を見て会話ができるようになった。
今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。コロナの影響で、何か月も対面レッスンや子供の学校の役員会議ができなくて不安を感じていた生活者が、オンラインレッスンの受講のためにWeb会議システムをダウンロードしたことで、遠隔でも顔を見て会話ができるようになり、介護施設にいる家族との面会、友人とのオンライン飲み会など他の用途でも使うようになっています。レッスンも会議もオンラインで支障なく行うことができ、会えない相手の顔を見て話ができるのは有難いと感じて利用を継続しています。
この構造を応用することで、生活者自身がシステムを利用せざるを得ない状況に置かれ、利用する機会が作られることで良さを実感し、元々の用途以外にも活用しはじめることで、結果的に生活者自身がシステムの推奨者、プロモーターに代わる存在になってくれる可能性があります。そのため、多くの人が参加するようなイベントや習い事で自社システムを導入してもらうことが、利用者の増加に繋がるのではないかと考えられます。
上図のような生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を実際のマーケティング施策で役立てる方法や、マーケティング施策に使えるカスタマージャーニーの創り方については「カスタマージャーニーの教科書」に掲載しております。
注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。
※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。
「カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。
https://www.journey-navi.com/