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顧客体験の解説 | 雑誌 |「VOGUE」から学ぶ
表紙の訴求・ネット情報施策事例
今回は雑誌の"継続購入"の事例として、"VOGUE"の事例を紹介します。このケーススタディでは、周りにどう思われるかではなく、自分の本当に着たいものを楽しみたい女性(39歳)が、コンビニで雑誌の表紙を見て興味を持ち、ネットで調べ新規購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「VOGUE」を例に、表紙の訴求・ネット情報が新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、表紙の訴求・ネット情報のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには継続購入させるに至ったのか、そのプロセスから「表紙の訴求・ネット情報で新規購入を促進する」施策の学びを読み解き、解説していきます。
周りにどう思われるかではなく、
自分の本当に着たいものを楽しみたい
職場や友達との女子会での会話で、コスメやファッションの流行をおさえておかないと仲間外れにされないか不安に感じつつも、本当は自分の着たいものを楽しみたい。(39歳女性 大阪府)
山下さん 39歳(仮名)
パート・アルバイト
まず、生活者と課題を見ていきましょう。VOGUEを継続購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。山下さん(39歳女性 大阪府)は「周りにどう思われるかではなく、自分の本当に着たいものを楽しみたい」と考えている方です。パート・アルバイト、未婚の女性です。
山下さんは「職場や友達との女子会での会話で、コスメやファッションの流行をおさえておかないと仲間外れにされないか不安に感じつつも、本当は自分の着たいものを楽しみたい」と話していました。
では、このような状態の山下さんに、VOGUEがどのような変化をもたらしたのかを解説します。
”VOGUEで成立 した価値”※1 |
= |
自分の心にハリをもたせてくれる 唯一無二の大切な存在 |
ブランドが果たした役割
山下さんは現在、VOGUEを継続購入しています。最初は「コンビニで雑誌の斬新な表紙を見て興味を持ち、どんなジャンルの雑誌なのかなど中身をネットで調べた上で購入した」と話していました。実際に購入してみると、コロナの影響で外出する機会が減ったため、女友達の厳しい視線にジャッジされることもなくなり、自分が本当に好きなものを楽しめるようになったと感じました。また、「自分の心にハリをもたせてくれる唯一無二の大切な存在。どんなに大変なことがあっても、読めばいつもの自分を取り戻せるため元気が生まれてくる」ということに気づき、継続購入するに至ったと考えられます。
顧客体験の変化
山下さんはVOGUEを購入利用する以前、「職場や友達との女子会での会話で、コスメやファッションの流行をおさえておかないと仲間外れにされないか不安に感じる」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、VOGUEを購入することにより、「自分の心にハリをもたせてくれる唯一無二の大切な存在。どんなに大変なことがあっても、読めばいつもの自分を取り戻せるため元気が生まれてくる」と感じ、さらに、VOGUEを購入していくうちに、「前はコーディネートにそこまで時間をかけなかったが、この雑誌のおかげで自分が身につけるものに愛着が湧いていく実感がある」ということに気づき、継続的に購入するようになりました。
「表紙の訴求・ネット情報が新規購入を促進する」の成功要因
本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「表紙の訴求・ネット情報が新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
このストーリーでは、山下さんは元々「職場や友達との女子会での会話で、コスメやファッションの流行をおさえておかないと仲間外れにされないか不安に感じつつも、本当は自分の着たいものを楽しみたい」という課題認識を持っていました。
そんな時、コンビニで雑誌の斬新な表紙を見て興味を持ち、どんなジャンルの雑誌なのかなど中身をネットで調べ、購入するに至りました。
その後、コロナの影響で外出する機会が減ったため、女友達の厳しい視線にジャッジされることもなくなり、自分が本当に好きなものを楽しめるようになったと感じ、「自分の心にハリをもたせてくれる唯一無二の大切な存在。どんなに大変なことがあっても、読めばいつもの自分を取り戻せるため元気が生まれてくる」という価値が成立して、継続購入に至りました。
応用可能性~本事例の学び
課題
職場や友達との女子会での会話で、コスメやファッションの流行をおさえておかないと仲間外れにされそうで不安だけれど、本当は自分の着たいものを楽しみたいケース
結果
コスメやファッションの流行を抑えておかないと仲間外れにされるかもと不安を感じつつ、自分の好きなものを着たい生活者が、コンビニで雑誌の表紙を見て興味を持ち、中身をネットで調べた上で購入している。
今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。職場や友達との女子会での会話で、コスメやファッションの流行をおさえておかないと仲間外れにされると不安を感じつつも、本当は自分の着たいものを楽しみたい生活者が、コンビニで雑誌の表紙を見て興味を持ち、雑誌の内容をネットで調べた上で購入に至っています。コロナの影響もあり、以前より外出する機会が減って、人の目や女友達の厳しい視線にジャッジされることもなくなったため、雑誌を購入して自分が本当に好きなものを好きなだけ楽しめるようになったと感じています。
この構造を応用することで、コロナウイルスの影響で外出の機会が減ったことにより、生活者それぞれが自分の好みや興味に以前より素直に向き合っている可能性が高いため、万人受けを狙うよりも、ターゲット層を絞りこんでプロモーションを行うことで、新たな顧客の獲得が期待できるのではないかと考えられます。
上図のような生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を実際のマーケティング施策で役立てる方法や、マーケティング施策に使えるカスタマージャーニーの創り方については「カスタマージャーニーの教科書」に掲載しております。
注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。
※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。
「カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。
https://www.journey-navi.com/