Collexia 
Marketing 
Casestudy

顧客体験の解説 | ライブ配信アプリ |「ふわっち」から学ぶ課金システム施策事例

 
  • facebook
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 今回はライブ配信アプリの"継続課金"の事例として、"ふわっち"の事例を紹介します。このケーススタディでは、応援しているアイドルの支援をして力になりたいと考えている男性(21歳)が、ライブ開催費用を援助できるという課金システムを知ったことで課金するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

課金システム
施策施策

×

継続課金

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「ふわっち」を例に、ライブ配信アプリ上での課金システムの簡易化が課金を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、課金システムのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規課金さらには継続課金させるに至ったのか、そのプロセスから「課金システムで新規課金を促進する」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

応援しているアイドルの
支援をして力になりたい

応援している地下アイドルがコロナの影響でライブができず、悲しそうにしているため、
少しでも支援して力になりたい。(21歳男性 東京都)

田崎さん 21歳(仮名)
学生

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。ふわっちに継続課金するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。田崎さん(21歳男性 東京都)は「応援しているアイドルの支援をして力になりたい」と考えている方です。学生、未婚の男性です。

 田崎さんは「応援している地下アイドルがコロナの影響でライブができず、悲しそうにしているため、少しでも支援して力になりたい」と話していました。

 では、このような状態の田崎さんに、ふわっちがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”ふわっちで成立した価値”

※1

好きなアイドルと最も近づける、
なくてはならない存在

ブランドが果たした役割

 田崎さんは現在、ふわっちで継続課金しています。最初は「配信アプリ内で課金することで、ライブの開催費用を援助できると知って課金した」と話していました。実際に課金してみると、現実に友達が多くない自分も、配信中にチャットで目立つことで青春を謳歌できている気分になれると感じました。また、「アイドルメンバーとリアルタイムで最も近づける手段としてなくてはならない存在である」ということに気づき、継続課金するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 田崎さんはふわっちで課金する以前、「応援している地下アイドルがコロナの影響でライブができず、悲しそうにしている」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、ふわっちで課金することにより、「アイドルメンバーとリアルタイムで最も近づける手段としてなくてはならない存在である」と感じ、さらに、ふわっちで課金していくうちに、「現役アイドルの配信者に名前を連呼してもらえて覚えてもらえた確信があった。自分が他の誰よりも目立っていると思えるので、優越感に常に浸ることができた」ということに気づき、継続的に課金するようになりました。
図解

ふわっちの顧客体験事例から紐解く

「課金システムの簡易化で課金を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「課金システムの簡易化で課金を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、田崎さんは元々「応援している地下アイドルがコロナの影響でライブができず、悲しそうにしているため、少しでも支援して力になりたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、配信アプリ内で課金することで、ライブの開催費用を援助できると知り、課金するに至りました。
その後、ふわっちで継続して課金していく中で、「現実に友達が多くない自分も、配信中にチャットで目立つことで青春を謳歌できている気分になれる」と感じ、「アイドルメンバーとリアルタイムで最も近づける手段としてなくてはならない存在である」という価値が成立して、継続利用・継続課金に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷

応援している地下アイドルを支援したい、力になりたいと感じているケース

ライブ開催費の援助など
課金が具体的な支援に繋がる
イメージを訴求

結果

応援している地下アイドルを支援したい、力になりたいと感じていた生活者が、配信アプリ内で課金することでライブ開催費を支援できると知って課金に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。応援している地下アイドルを支援したい、力になりたいと感じていた生活者が、配信アプリ内で課金することでライブ開催費を支援できると知って課金に至っています。課金をすると名前を覚えてもらえるため、アイドルメンバーと時間を共有できる手段として自分を支えてくれる必要不可欠な存在だと、日々の課金やチャットを通して感じて、継続利用や継続課金に至っています。

 この構造を応用することで、アイドルなどのアーティストやタレント、アニメやゲームなどのコンテンツに対してではなく、イベントの開催や続編の作成など具体的な目標を提示して、生活者が課金をすることで一緒にイベントや作品を作り上げていけると思えるような仕組みを構築することが、課金を促進するのだと考えられます。

 上図のような生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を実際のマーケティング施策で役立てる方法や、マーケティング施策に使えるカスタマージャーニーの創り方については「カスタマージャーニーの教科書」に掲載しております。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。