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顧客体験の解説 | 痛み止め |「ロキソプロフェン錠『クニヒロ』」から学ぶ購入チャネル拡大施策事例

 
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 今回は痛み止めの"継続購入"の事例として、"ロキソプロフェン錠「クニヒロ」(皇漢堂製薬)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、生理痛がひどく生活に支障が出つつも薬局に行く時間が取れない女性(44歳)が、ネット通販でもロキソニンと同成分の商品が買えると知って新規購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

購入チャネル
拡大施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「ロキソプロフェン錠『クニヒロ』」を例に、購入チャネルの拡大が新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、購入チャネル拡大のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには継続購入するに至ったのか、そのプロセスから「購入チャネル拡大で新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

生理痛に悩んでいるが
忙しくて薬局に行く時間はない

生理痛がひどく日常生活にも支障が出ているが、仕事が不規則で薬局に行く時間も取れない
(44歳女性 東京都)

三浦さん 44歳(仮名)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。ロキソプロフェン錠「クニヒロ」を継続購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。三浦さん(44歳女性 東京都)は「生理痛に悩んでいるが忙しくて薬局に行く時間はない」と考えている方です。世帯年収800~1000万円未満ほどで会社員、未婚の女性です。

 三浦さんは「生理痛がひどく日常生活にも支障が出ているが、仕事が不規則で薬局に行く時間も取れない」と話していました。

 では、このような状態の三浦さんに、ロキソプロフェン錠「クニヒロ」がどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”ロキソプロフェン錠「クニヒロ」で成立した価値”

※1

携行していれば痛みに
対応できるという安心感がある

ブランドが果たした役割

 三浦さんは現在、ロキソプロフェン錠「クニヒロ」を継続購入しています。最初は「ロキソニンと同成分の商品をネット通販でも買えると知って購入しようと思った」と話していました。実際に使用する中で、鎮痛作用だけでなく解熱作用もあるので、旅行先で風邪をひいて熱が出てしまった時にも役立ってくれたと感じました。また、「痛みでつらいときはもちろん、熱が出たときも飲めるので携行していることで安心感が生まれる」ということに気づき、継続購入するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 三浦さんはロキソプロフェン錠「クニヒロ」を購入する以前、「生理痛がひどく日常生活にも支障が出ているが、仕事が不規則で薬局に行く時間も取れないでいる」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、ロキソプロフェン錠「クニヒロ」を購入することにより、「痛みでつらいときはもちろん、熱が出たときも飲めるので携行していることで安心感が生まれる」と感じ、さらに、ロキソプロフェン錠「クニヒロ」を購入していくうちに、「生理の時も痛みを我慢しながら仕事をする必要がなくなり、平常心で仕事をこなせて、仕事終わりに同僚と食事に行くこともできる」ということに気づき、継続的に購入するようになりました。
図解

ロキソプロフェン錠「クニヒロ」の顧客体験事例から紐解く

「購入チャネル拡大で新規購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「購入チャネル拡大で新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、三浦さんは元々「生理痛がひどく日常生活にも支障が出ているが、仕事で不規則で薬局に行く時間も取れない」という課題認識を持っていました。
 そんな時、ロキソニンと同成分の商品をネット通販でも買えると知って、購入するに至りました。
 その後、ロキソプロフェン錠「クニヒロ」を継続して購入していく中で、「鎮痛作用だけでなく解熱作用もあるので、旅行先で風邪をひいて熱が出てしまった時にも役立ってくれる」と感じ、「痛みでつらいときはもちろん、熱が出たときも飲めるので携行していることで安心感が生まれる」という価値が成立して、継続購入に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

身体的負荷+時間的負荷

生理痛がひどく日常生活に支障が出ている+仕事が不規則で薬局に行く時間も取れないケース

自社カテゴリ商品に関する
成分比較の情報を発信
+
購買チャネルの拡大

結果

生理痛がひどく日常生活にも支障が出ているが、仕事で薬局に行く時間も取れない生活者が、ロキソニンと同成分の商品をネット通販でも買えると知って購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。生理痛がひどく日常生活にも支障が出ているが、仕事で不規則で薬局に行く時間も取れない生活者が、ロキソニンと同成分の商品をネット通販でも買えると知って購入に至っています。鎮痛作用だけでなく解熱作用もあるので、旅行先で風邪をひいて熱が出てしまった時にも役立ってくれて、携行していることで安心感が生まれると感じています。

 この構造を応用することで、薬のように成分や効果・効能など、製品自体の差別化が難しい場合においては、購入チャネルの拡大を行うことで機会損失を防げ、購入に繋がる可能性があると考えられます。また、メインの効果・効能だけでなく、他の効果・効能についてもパッケージや商品紹介に記載しておくことで、汎用性が高いと感じてもらえると考えられます。

 発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。