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顧客体験の解説 | 雑誌 |「たまごクラブ」から学ぶ媒体施策事例

 
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 今回は雑誌の"顧客満足の獲得"の事例として、"たまごクラブ(ベネッセ)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、コロナの影響で家族やママ友に直接会って話を聞くこともできず、初めての妊娠に不安を感じている女性(34歳)が、店頭で表紙を見かけて興味を持ったため購入し、有益で参考になる実用的な情報が得られたことで満足を実感するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

媒体施策

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顧客満足の獲得

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「たまごクラブ」を例に、媒体施策が顧客満足の獲得を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、媒体施策のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには顧客満足を獲得するに至ったのか、そのプロセスから「媒体で新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

初めての妊娠で不安だが
コロナで家族を頼れない

初めての妊娠で分からないことばかりだが、
コロナの影響で家族やママ友に直接会って話を聞くことができない。(34歳女性 東京都)

春野さん 34歳(仮名)
パート・アルバイト

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。たまごクラブを購入して満足するに至った生活者のカスタマージャーニーを紹介します。春野さん(34歳女性 東京都)は「初めての妊娠で不安だがコロナで家族を頼れない」と考えている方です。世帯年収400~600万円未満ほどでパート・アルバイト、既婚の女性です。

 春野さんは「コロナの影響で家族やママ友に直接会って話を聞くこともできず、初めての妊娠に不安を感じている」と話していました。

 では、このような状態の春野さんに、たまごクラブがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”たまごクラブで成立した価値”

※1

有益な情報のおかげで
理想の優しいママに近づける

ブランドが果たした役割

 春野さんは現在、たまごクラブに満足していると感じています。最初は「頭で表紙を見かけ、先輩ママの体験談など知りたい情報が載っているため、保存版として紙媒体で持っておきたいと感じた」と話していました。実際に読んでみると、先輩ママや家族に会って直接聞いた時と同じくらい、有益で参考になる実用的な情報が得られると感じました。また、「家にこもりがちになっている状況でも雑誌の情報のおかげで、理想通りの優しいママに近づけている」ということに気づき、満足するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 春野さんはたまごクラブを購入する以前、「初めての妊娠で分からないことばかりだが、コロナの影響で家族やママ友に直接会って話を聞くこともできず、不安に感じている」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、たまごクラブを購入することにより、「コロナの影響や体調不良により、家にこもりがちになっている状況でも有益で参考になる実用的な情報が得られる」と感じ、さらに、たまごクラブを購入したことで、「初心者ママのためのマタニティ情報だけでなく、マタニティ用のサプリメントやボディクリームなどの試供品もたくさんもらえて嬉しかった」と感じて、満足を感じるようになりました。
図解

たまごクラブの顧客体験事例から紐解く

「媒体施策で新規購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「媒体で新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、春野さんは元々「初めての妊娠で分からないことばかりだが、コロナの影響で家族やママ友に直接会って話を聞くこともできないため不安だ」という課題認識を持っていました。
 そんな時、店頭で表紙を見かけ、先輩ママの体験談など知りたい情報が載っているため、保存版として紙媒体で持っておきたいと感じて、購入するに至りました。
 その後、たまごクラブを購入したことで、「先輩ママや家族に会って直接聞いた時と同じくらい、有益で参考になる実用的な情報が得られる」と感じ、「コロナの影響や体調不良により、家にこもりがちになっている状況でも雑誌の情報のおかげで、理想通りの優しいママに近づけている」という価値が成立して、満足するに至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

情報負荷

初めての妊娠で分からないことばかりだが、コロナの影響で家族やママ友に直接会って話を聞くこともできず、不安を感じているケース

掲載内容がわかりやすい表紙
手元に紙媒体で
置いておきたいと思える特集

結果

初めての妊娠で分からないことばかりだが、コロナの影響で家族やママ友に直接会って話を聞くこともできず、不安な生活者が、店頭で表紙を見かけて知りたい情報が載っていると感じたため、購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。初めての妊娠で分からないことばかりだが、コロナの影響で家族やママ友に直接会って話を聞くこともできず、不安に感じている生活者が、店頭で表紙を見かけて知りたい情報が載っていると感じたため、購入に至っています。読んでみると、先輩ママや家族に会って直接聞いた時と同じくらい、有益で参考になる実用的な情報が得られたことで、理想通りの優しいママに近づけていると満足できています。

 この構造を応用することで、コロナウイルスの影響により、家族や友達とも対面で話せる機会が減っている中で、関連した情報をまとめた専門誌ならではの安心できる媒体を提供することで、生活者は必要としている情報が受動的に入手でき、不安が解消されて満足を感じるのだと考えられます。 また、このケースのように紙媒体だと保管しやすく、家族とも話題を共有しやすいと考えている生活者には、定期的に見返したくなるような情報を掲載することで興味を持ってもらえる可能性が高くなると考えられます。

 上図のような生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を実際のマーケティング施策で役立てる方法や、マーケティング施策に使えるカスタマージャーニーの創り方については「カスタマージャーニーの教科書」に掲載しております。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。