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顧客体験の解説 | ファストフード店 |「ケンタッキーフライドチキン」から学ぶテレビCM施策事例

 
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 今回はファストフード店の"継続利用"の事例として、"ケンタッキーフライドチキン"の事例を紹介します。このケーススタディでは、毎回自分の食べたいものを食べるようにしたい女性(63歳)が、テレビCMを見て店舗を利用するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

テレビCM施策

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 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「ケンタッキーフライドチキン」を例に、テレビCMが継続利用を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、テレビCMのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、継続利用させるに至ったのか、そのプロセスから「テレビCMで継続利用を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

毎回自分の食べたいものを
食べるようにしたい

一生の食事の回数は決まっているので、毎回自分の食べたいものを食べるようにしたい(63歳女性 大阪府)

田代さん 63歳(仮名)
その他

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。ケンタッキーフライドチキンを継続利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。田代さん(63歳女性 大阪府)は「毎回自分の食べたいものを食べるようにしたい」と感じている方です。世帯年収200~400万円未満ほどで、未婚の女性です。

 田代さんは「食事の回数は決まっているので、毎回自分の食べたいものを食べるようにしたい」と話していました。

 では、このような状態の田代さんに、ケンタッキーフライドチキンがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”ケンタッキーフライドチキンで成立した価値”

※1

味が安定していてコスパが良く
満足な昼食を提供してれる

ブランドが果たした役割

 田代さんは現在、ケンタッキーフライドチキンを継続利用しています。田代さんは、「タレントが新商品を美味しそうに食べているTVCMを見て店舗を利用した」と話していました。実際に利用してみると、限定商品が今までのメニューとマッチしていて美味しく、限定商品に力入れていると感じました。また、「味が安定していてコスパが良く、満足できる昼食を提供してくれる」ということに気づき、継続利用するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 田代さんはケンタッキーフライドチキンを継続利用する以前、「一生の食事の回数は決まっているのに、好きなものを食べれない日があるのは不満である」ということに気づき、このままではいけないと思いました。その後、ケンタッキーフライドチキンを利用することにより、「味が安定していてコスパが良く、満足できる昼食を提供してくれる」と感じ、さらに、ケンタッキーフライドチキンを購入していくうちに、「外出自粛時、近くにある店舗でほぼ待たずに購入することができたため、コロナ禍で抱えているストレスを軽減することができた」ということに気づき、継続的に利用するようになりました。
図解

ケンタッキーフライドチキンの顧客体験事例から紐解く

「テレビCMで継続利用を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「テレビCMで継続利用を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、田代さんは元々「一生の食事の回数は決まっているので、毎回自分の食べたいものを食べるようにしたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、タレントが新商品を美味しそうに食べているTVCMを見て、店舗を利用するに至りました。
 その後、ケンタッキーフライドチキンを継続して利用していく中で、「限定商品が今までのメニューとマッチしていて美味しく、限定商品に力入れている」と感じ、「味が安定していてコスパが良く、満足できる昼食を提供してくれる」という価値が成立して、継続利用に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷

食事はいつも自分の食べたいものを食べるようにしたいと考えているケース

TVCMでの新商品情報の紹介

結果

食事の回数は決まっているので、毎回自分の食べたいものを食べるようにしたいと考えている生活者が、タレントが新商品を美味しそうに食べているTVCMを見て購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。一生の食事の回数は決まっているので、毎回自分の食べたいものを食べるようにしたいと考えている生活者が、タレントが新商品を美味しそうに食べているTVCMを見て購入に至っています。限定商品が今までのメニューとマッチしていて美味しいと思ったことで、限定商品に力を入れていて、味も安定していてコスパが良く、満足できる昼食を提供してくれる店舗だと感じて、継続利用に至っています。

 この構造を応用することで、TVCMなどで新商品や新サービスが、これまでの商品・サービスと一緒に使用することで、これまで以上の満足感が得られると感じられるような情報訴求をすることで、生活者に興味を持ってもらうことができ、初回購入、さらには既存商品との合わせ買いにも繋がると考えられます。

 上図のような生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を実際のマーケティング施策で役立てる方法や、マーケティング施策に使えるカスタマージャーニーの創り方については「カスタマージャーニーの教科書」に掲載しております。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。