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顧客体験の解説 | 雑誌 |「オレンジページ」から
学ぶ表紙の掲載情報施策事例

 
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 今回は雑誌の"顧客満足の獲得"の事例として、"オレンジページ"の事例を紹介します。このケーススタディでは、いつもとちょっと違う凝ったメニューを作りたい女性(60歳)が、店頭で表紙の掲載内容に興味を持ったため購入し、満足を実感するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

表紙の掲載情報施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「オレンジページ」を例に、表紙の掲載情報施策が顧客満足の獲得を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、表紙の掲載情報のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには顧客満足を獲得するに至ったのか、そのプロセスから「表紙の掲載情報で新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

いつもとちょっと違う
凝ったメニューを作りたい

献立がマンネリ化してきたため、いつもとちょっと違う凝ったメニューを家族に作りたい。
(60歳女性 兵庫県)

横田さん 60歳(仮名)
専業主婦

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。オレンジページを購入して満足するに至った生活者のカスタマージャーニーを紹介します。横田さん(60歳女性 兵庫県)は「いつもとちょっと違う凝ったメニューを作りたい」と考えている方です。世帯年収1000~1200万円未満ほどで専業主婦、既婚の女性です。

 横田さんは「献立がマンネリ化してきたため、いつもとちょっと違う凝ったメニューを家族に作りたい」と話していました。

 では、このような状態の横田さんに、オレンジページがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”オレンジページで成立した価値”

※1

楽しく家事ができるよう助けてくれ、
自信を持たせてくれる

ブランドが果たした役割

 横田さんは現在、オレンジページに満足を感じています。最初は「店頭で表紙を見かけて、簡単でおいしそうなレシピが載っていて料理のレパートリーを増やすのに役立ちそうだと感じて購入した」と話していました。実際に読んでみると、雑誌を見れば献立のヒントが得られるため、献立が決まらずイライラする日がなくなったと感じました。また、「考え込まずに楽しく家事ができるように主婦を助けてくれて、自分の役目に誇りをもって取り組めるように自信を持たせてくれる存在である」ということに気づき、満足を感じるに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 横田さんはオレンジページを購入する以前、「献立がマンネリ化してきた」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、オレンジページを購入することにより、「考え込まずに楽しく家事ができるように主婦を助けてくれて、自分の役目に誇りをもって取り組めるように自信を持たせてくれる」と感じ、さらに、オレンジページを購入したことで、「いつも黙って食べている家族が、ちょっと変わったメニューが食卓に並んでいると「おいしい」と言って嬉しそうに食べてくれた」と感じて、満足を感じるようになりました。
図解

オレンジページの顧客体験事例から紐解く

「表紙の掲載情報施策で新規購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「表紙の掲載情報で新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、横田さんは元々「献立がマンネリ化してきたため、いつもとちょっと違う凝ったメニューを家族に作りたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、店頭で表紙を見かけて、簡単でおいしそうなレシピが載っていて料理のレパートリーを増やすのに役立ちそうだと感じ、購入するに至りました。
 その後、オレンジページを購入したことで、「雑誌を見れば献立のヒントが得られるため、献立が決まらずイライラする日がなくなった」と感じ、「考え込まずに楽しく家事ができるように主婦を助けてくれて、自分の役目に誇りをもって取り組めるように自信を持たせてくれる」という価値が成立して、満足を感じるに至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

情報負荷

献立がマンネリ化してきたため、いつもとちょっと違う凝ったメニューを家族に作りたいと思っているケース

季節や時期に合わせた特集の掲載
簡単にできそうだと思わせる表紙作り

結果

いつもと違う凝ったメニューを家族に作りたいと思っていた生活者が、店頭で表紙を見かけて、簡単でおいしそうなレシピが載っていて料理のレパートリーを増やすのに役立ちそうだと感じて購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。献立がマンネリ化してきたため、いつもとちょっと違う凝ったメニューを家族に作りたいと思っている生活者が、店頭で表紙を見かけて、簡単でおいしそうなレシピが載っていて料理のレパートリーを増やすのに役立ちそうだと感じて購入に至っています。雑誌を見れば献立のヒントが得られるため、献立が決まらずイライラする日がなくなって考え込まずに楽しく家事ができるようになり、主婦を助けてくれて自信を持たせてくれる存在だと感じています。

 この構造を応用することで、日々の献立や休日の外出先などのマンネリ化しがちな行動に対して、季節や時期、情勢に合わせたすぐに使える情報を提供することで、生活者に商品やサービスへの満足を実感させられると考えられます。また、主婦のように家にこもっている場合、自分の役割に対する誇りや自信を失ってしまうことがあるため、コロナ禍の今は特に、自尊心を高めてくれるような商品やサービスへの需要が高まっているのではないかと考えられます。

 発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。