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顧客体験の解説 | 食品 |「無印良品」から学ぶ
公式アプリ・O2O施策事例
Digital Marketing case:05002
今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「無印良品」を例に、公式アプリ・O2O施策がファン化を促したという構造を持つ顧客体験を収集し、ケーススタディとしてまとめました。本稿では、公式アプリ・O2O施策のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられていったのか、そのプロセスから「公式アプリ・O2O施策でファン化を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。
公式アプリ・O2O施策でファン化を促す
今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「無印良品」を例に、公式アプリ・O2O施策がファン化を促したという構造を持つ顧客体験を収集し、ケーススタディとしてまとめました。本稿では、公式アプリ・O2O施策のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられていったのか、そのプロセスから「公式アプリ・O2O施策でファン化を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。
"ちょっと良いもの"を
安く手に入れるのは手間だった
美味しいお茶などを安価で購入できる場所が限られていて、遠くまで出向く必要があった。
カレーがお店で食べなければならずお金がかかった。(33歳女性 神奈川県)
まず、生活者と課題を見ていきましょう。無印良品を利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。渡辺さん(33歳女性 神奈川県)は元々、「ちょっと良いものを安く手に入れるのは手間だった」という方です。自身は目指したいあり方として美味しいご飯を家族と一緒に食べて、良い時間を共有できる人になりたい。 お茶やお菓子でおやつの時間を充実させ、精神的に余裕のある人になりたい。とも考えている、世帯年収200~400万円未満ほどで、会社員、独身の女性です。
しかし、渡辺さんは、「良いものを手に入れようとすると高かったり、遠くまで食べに行く必要があってお金がかかった。お金がかかるので頻繁に楽しむことが出来なかった。」と話しており、この時には金銭的負荷, 使用・維持のための金銭的な負担が大きいを感じたと話しています。しかし、自宅で気軽に、ちょっと良いものを楽しめる生活をしたい。と考えている状況です。
では、このような状態の渡辺さんに、無印良品がどのような変化をもたらしたのかを解説します。
”無印良品で 成立した価値”※2 |
= |
充実した時間が近くで安く手に入る |
ブランドが果たした役割
渡辺さんは「子供の頃から家の近所無印良品があり、母親がよく購入していた」と話しており、昔から無印良品を利用してきました。最近は「アプリで自分の現在位置に対応したメッセージを受け取って、店頭で購入した。値引きになる無印週間の通知が来るので、その通知が来たらそれまで欲しかった、買いたかった、必要なものをリストアップしておいたものを参照し、店頭に出向いて購入する。」と話しており、「アプリから値引きの通知が入る」「店頭レジ前で並んでいるお菓子などをさらに買い増し」という特長が「充実した時間が近くで安く手に入る」を渡辺さんに提供し、より一層のファン化に至ったと考えられます。
顧客体験の変化
渡辺さんは以前、ちょっと良いものを探しに遠出したりお金を掛けたりしていましたが、金銭的にも大変だったため、今のままでは良くないと気づかされました。その後無印良品を利用することで、カレーやお茶、お菓子などが、あまり高くない値段で頻繁に買えるようになり、充実した食生活が送れて精神的に余裕が生まれるようになりました。
「公式アプリ・O2O施策でファン化を促す」の成功要因
本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「公式アプリ・O2O施策でファン化を促す」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
このストーリーでは、渡辺さんは元々「ちょっと良いものを安く手に入れるのは手間だった」という課題認識を持っていました。しかし、無印良品が、「アプリからの値引き通知と店頭を提供すること」により公式アプリ・O2O施策が機能したことで、「充実した時間が近くで安く手に入る」という価値が成立して、ファン化に成功しました。また「8-24万人」の顧客層に訴求できたと推定されます。※1
応用可能性~本事例の学び
課題
良い商品や料理を安く楽しむには、遠くに行くなど手間がかかる場合の課題
結果
欲しい商品が安くなった時を狙って来店して買いに行く、というスタイルで使い続けている。
今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。入手のための負担が大きいを感じている生活者に、公式アプリ・O2O施策(アプリからの値引き通知、店頭)が対応したことで「注目していた商品が安くなったらすぐ買いに行ける」ようになり、その結果ショップへのファン度合いが強まったと言えます。
この構造を応用することで、他のショップブランド等でも「人気商品シリーズについての、アプリを使った値引き通知」により、商品のファンを定期的に来店させ、ファン化を進められる可能性があると考えられます。
注記
※1 体験価値の規模推定値は、市場調査結果(n=3000)データと人口統計データより、調査データ内の”同じ商品を購入した消費者”かつ、”本稿で紹介した消費者と類似のインサイトを持っている人”の規模から計算しています。
※2 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。
「カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。
https://www.journey-navi.com/