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顧客体験の解説 | お酒 |「よなよなエール」から学ぶ流通戦略事例

 
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 今回は”顧客満足獲得”の事例として、”よなよなエール”の事例を紹介します。このケーススタディで紹介する生活者は、海外のクラフトビールが好きな男性(38歳)が、よなよなエールに満足した、という顧客体験をご紹介します。この体験価値は約「2-5万人」の顧客層に訴求できたと推定されます
 

流通戦略

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顧客満足

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「よなよなエール」を例に、流通戦略が新規購入を促したという構造を持つ顧客体験を収集し、ケーススタディとしてまとめました。本稿では、流通戦略のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられていったのか、そのプロセスから「流通戦略で新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

海外産のクラフトビールを飲み続けたいが、いつ手に入らなくなるか不安

近所のスーパーのクラフトビールの取り扱いが減っている。売り場を見ているとクラフトビール自体あんまり売れていないように見えるので、今後も近場で買えるかどうか不安。(38歳男性 山口県)

佐藤さん 38歳(仮名)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。よなよなエールを利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。佐藤さん(38歳男性 山口県)は元々、「海外産のクラフトビールはいろいろあって興味があったが、中々手に入らないので不便に感じている。」という方です。自分については「美味しいものを知っている。 ちょっとだけ知識がある。 こだわりがあるように見られたい」と考えている、年収600~800万円未満ほどで、会社員(事務系)、既婚の男性です。

 しかし、佐藤さんは、「海外産のクラフトビールが好きですが、元々は近所のスーパーでの取り扱いが減ってしまうのではないかと常に気にしてます。」と話しています。クラフトビールを知っているとちょっと自慢できるから、今後も買い続けたられたら良いな、と考えている状況です。

 では、このような状態の佐藤さんに、よなよなエールがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

よなよなエールで成立した価値

※2

どこでも買えて、”こだわりがある人”として振る舞える

ブランドが果たした役割

 現在佐藤さんは、少しだけ贅沢したいときに「よなよなエール」を利用するようになっています。よなよなエールを飲み始めたことで、「よなよなエールは、美味しくて値段そこそこのペールエールで、コンビニにも置いてあり手に入りやすくバッチリ。 海外産もそこまで高くはないが選ぶならこっち。」と話しており、よなよなエールが「地方のスーパーでもいつでも手に入る」という特長が「いつでも人に薦められる」と佐藤さんに認識させ、顧客満足に至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 佐藤さんはよなよなエールや海外のクラフトビールを利用する以前、安いお酒を飲んでいたころに、「プレミアムクラスの酒を飲むとやっぱり美味しい。多少高くても美味しいものは少しのめば満足できそうだ。安い物を飲み過ぎるほど飲むのもどうかと思っていた。」と話しており、安酒を大量に飲むのではなく、高くてもおいしいお酒をのんで満足したい、と考えが変わったようです。その後まず海外クラフトビールを飲むようになるものの、手に入り辛さを懸念し、その後国産のよなよなエールを見つけたことで、「”こだわりがある人”として振る舞える」かつ、「国産の手に入りやすさ」の両方から満足できるようになりました。
図解

よなよなエールの顧客体験事例から紐解く

「流通戦略で顧客満足を促す」の成功要因

体験価値の
市場規模

2-5万人

本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「流通戦略で顧客満足を促す」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。

このストーリーでは、元々「海外産のクラフトビールを飲み続けたいが、いつ手に入らなくなるか不安。」という認識が「よなよなエールなら手に入らなくなる心配をしなくてよい。」に変化したことで、”よなよなエール”の顧客満足を得ることに成功した事例と言えるでしょう。また、「よなよなエール」の顧客体験における購買のトリガーは、「国産で手に入りやすい上に、”こだわりがある人”として振る舞える」という価値でした。この体験価値は約「2-5万人」の顧客層に訴求できたと推定されます。※1

応用可能性~本事例の学び

課題

入手負荷

比較的マイナーな商品で(特に地方の)近所のスーパーやコンビニでは手に入り辛い飲料や食品の課題

少量でも地方含む
標準的なスーパーでも配架する

結果

”入手のしやすさ”が人への勧めやすさ、そして自分の商品への満足度の向上をもたらしている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。入手負担を感じている生活者に、「近所のスーパーでも買える」という流通対応が作用したことで、他の人への推奨と、自分自身の満足を得るに至ったと考えられます。

 この構造を応用することで、他にも「人に勧めたいけども手に入り辛い」という商品やサービス(例:マイナーだが知っている・人に勧めると一目置かれると思われる食品や飲料 等)についても、当該の商品のファンがいる地域での流通確保により、ファンによる推奨と顧客満足の両方が獲得できる可能性があると考えられます。

注記
※1 体験価値の規模推定値は、市場調査結果(n=3000)データと人口統計データより、調査データ内の”同じ商品を購入した消費者”かつ、”本稿で紹介した消費者と類似のインサイトを持っている人”の規模から計算しています。

※2 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。
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