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顧客体験の解説 | ファーストフード店 |
「ミスタードーナツ」から学ぶ
コラボ商品・テレビCM施策事例

 
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 今回はファーストフード店の"継続利用"の事例として、"ミスタードーナツ"の事例を紹介します。このケーススタディでは、甘いものを食べて一息つきたい女性(49歳)が、テレビCMで見たコラボ商品に興味を持ち、継続利用に至った、という顧客体験をご紹介します。
 

コラボ商品・
テレビCM施策

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継続利用

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「ミスタードーナツ」を例に、コラボ商品・テレビCMが継続利用を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、コラボ商品・テレビCMのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、継続利用に至ったのか、そのプロセスから「コラボ商品・テレビCMで継続利用を促進する」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

甘いものを食べて一息つきたい

外出自粛中の手作りおやつにも飽きてきた。甘いものを食べて一息つきたい、ほっとしたい。
(49歳女性 東京都)

楠田さん 49歳(仮名)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。ミスタードーナツを継続的に利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。楠田さん(49歳女性 東京都)は「甘いものを食べて一息つきたい」と考えている方です。世帯年収800~1000万円未満ほどで会社員、既婚の女性です。

 楠田さんは「外出自粛中の手作りおやつにも飽きてきた。甘いものを食べて一息つきたい、ほっとしたい。」と話していました。

 では、このような状態の楠田さんに、ミスタードーナツがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”ミスタードーナツドーナツで成立した価値”

※1

定番商品も新作も取り揃え
があり、飽きずに楽しめる

ブランドが果たした役割

 楠田さんは現在、ミスタードーナツを継続的に利用しています。最初は「暑くなってきたときにコラボ新商品のCMを見て、爽やかな抹茶味のドーナツが食べたいと興味を持ち購入した」と話していました。実際に利用してみると、テイクアウトで買ってきたものは普段の手作りおやつと比べて特別感があるので、家で食べても満足感を味わえてリラックスできると感じました。また、「長年の安定の定番商品があり、また常にわくわくする新作も出してくれるため、飽きずに楽しめる」ということに気づき、継続利用するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 楠田さんはミスタードーナツを利用する以前、「外出自粛中の手作りおやつにも飽きてきた」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、ミスタードーナツを利用することにより、「長年の安定の定番商品があり、また常にわくわくする新作も出してくれるため、飽きずに楽しめる」と感じ、さらに、ミスタードーナツを利用していくうちに、「夫がご褒美に買ってきてくれることもあり、ドーナツがあると夫婦で憩いの時間を過ごすことができる」ということに気づき、継続利用するようになりました。
図解

ミスタードーナツの顧客体験事例から紐解く

「コラボ商品・テレビCMで継続利用を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「コラボ商品・テレビCMで継続利用を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、楠田さんは元々「外出自粛中の手作りおやつにも飽きてきた。甘いものを食べて一息つきたい、ほっとしたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、暑くなってきたときにコラボ新商品のCMを見て、爽やかな抹茶味のドーナツが食べたいと興味を持ち、利用するに至りました。
 その後、テイクアウトで買ってきたものは普段の手作りおやつと比べて特別感があるので、家で食べても満足感を味わえてリラックスできる」と感じ、「長年の安定の定番商品があり、また常にわくわくする新作も出してくれるため、飽きずに楽しめる」という価値が成立して、継続的に利用するに至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷

家事で疲れた時に甘いものを食べて一息つきたい、ほっとしたいと感じているケース

季節に合わせたコラボ商品の販売
+
CMを通して新商品の情報を訴求

結果

家事の後に甘いものを食べて一息つきたい、ほっとしたいと感じている生活者が、自粛中の手作りおやつに飽きた時にCMでコラボ新商品の情報を見たことで興味を持ち、購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。家事で疲れた時に甘いものを食べて一息つきたい、ほっとしたいと感じている生活者が、自粛中の手作りおやつに飽きてきた時に、CMで抹茶のコラボ新商品情報を見て、暑くなってきて爽やかなお菓子が食べたいと感じたことで、購入に至っています。この店舗は、安定の定番商品のほかに常にわくわくする新作も出るところが気に入っており、ドーナツを食べるとまた頑張れると感じています。夫が家事のお礼(ご褒美)として買ってきてくれることもあり、夫婦で過ごす憩いの時間に欠かせない特別な存在だと感じています。

 この構造を応用することで、季節やシーズンに合わせた商品やコラボ商品の販売は、足が遠のいていた生活者への新たな刺激となり、休眠顧客の掘り起こしに繋がると考えられます。また、感染を気にして、外出や外食をためらう生活者に対しては、テイクアウトして家で食べるだけでも満足感や特別感が味わえるため、家族間や会社内でのお礼やご褒美としてテイクアウトが有効である点を訴求することで、利用や購入に繋げられるのではないかと考えられます。

 上図のような生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を実際のマーケティング施策で役立てる方法や、マーケティング施策に使えるカスタマージャーニーの創り方については「カスタマージャーニーの教科書」に掲載しております。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。