Collexia 
Marketing 
Casestudy

顧客体験の解説 | 食品 |「カップヌードル」
から学ぶブランドイメージ・店頭施策事例

 
  • facebook
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 今回は食料品の"継続購入"の事例として、"カップヌードル(日清)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、在宅勤務となり家で食事をとる必要があるが準備に手間を取られたくない男性(37歳)が、スーパーへの買い出し時に店頭で商品を見かけたときに昔からある安心感、信頼できる味を思い出して購入に至った、という顧客体験をご紹介します。
 

ブランドイメージ・店頭施策

×

継続購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「カップヌードル」を例に、ブランドイメージ・店頭施策が継続購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、ブランドイメージ・店頭施策のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、継続購入するに至ったのか、そのプロセスから「ブランドイメージ・店頭施策で継続購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

在宅勤務中の食事の準備に手間を取られたくない。

在宅勤務中の昼食や小腹がすいたときに手間をかけずに手軽に腹ごしらえをしたい。(37歳男性 東京都)

福山さん 37歳(仮名)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。カップヌードルを継続購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。福山さん(37歳男性 東京都)は「在宅勤務中の食事に手間をかけたくない」と感じている方です。世帯年収600~800万円未満ほどで会社員の男性です。

福山さんは「在宅勤務中の昼食や小腹がすいたときに手軽に腹ごしらえをしたい。」と話していました。

では、このような状態の福山さんに、カップヌードルがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”カップヌードルを購入することで成立した価値”

※1

手間をかけずに昔から変わらない安心感のある味を楽しむことができる。

ブランドが果たした役割

 福山さんは現在、カップヌードルを継続購入しています。最初は「店頭で商品を見かけたときに昔からある安心感、信頼できる味を思い出して購入した。」と話していました。実際に利用してみると、他の商品のように粉末スープなど準備する必要もなく、フタを開け、お湯を入れるだけで気軽に美味しいものにありつけると感じました。また、「簡単に、手間をかけずに美味しいものが食べられる」ということに気づき、継続購入するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 福山さんはカップヌードルを購入する以前、「仕事に集中しているときに食事の準備をすることは面倒だし、時間がかかることで集中力が途切れてしまう。」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、カップヌードルを購入して利用することにより、「手間をかけずに昔から変わらない安心感のある味を楽しむことができる。」と感じ、さらに、カップヌードルを継続購入していくうちに、「夜中に小腹が空き、仕事をもう少し頑張ろうというときに、気分転換、栄養補充として利用して、もうひと踏ん張りできる。」ということに気づき、継続的に購入するようになりました。
図解

カップヌードルの顧客体験事例から紐解く

「ブランドイメージ・店頭施策で継続購入を促す」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「ブランドイメージ・店頭施策で継続購入を促す」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、福山さんは元々「在宅勤務中の昼食や小腹がすいたときに手間をかけずに腹ごしらえをしたい。」という課題認識を持っていました。
 そんな時、店頭で商品を見かけたときに昔からある安心感、信頼できる味を思い出し購入するに至りました。
 その後、カップヌードルを利用していく中で、「粉末スープなど準備する必要もなく、フタを開け、お湯を入れるだけで気軽に美味しいものにありつける。」と感じ、「手間をかけずに昔から変わらない安心感のある味を楽しむことができる。」という価値が成立して、継続購入に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

使用負荷

在宅勤務中の昼食や小腹がすいたときに手間をかけずに腹ごしらえをしたいと考えているケース

ブランドイメージの構築
店頭での商品陳列

結果

在宅勤務中の昼食や小腹がすいたときに手間をかけずに腹ごしらえをしたいと考えている生活者が、店頭で商品を見かけた時に昔からある安心感、信頼できる味を思い出して購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。在宅勤務中の昼食や小腹がすいたときに手間をかけずに腹ごしらえをしたいと考えている生活者が、店頭で商品を見かけた時に昔からある安心感、信頼できる味を思い出して購入に至っています。フタを開け、お湯を入れるだけで気軽に美味しい食事にありつけると気づき、手間をかけずに昔から変わらない安心感のある味を楽しむことができると感じられたことで継続購入に至ってます。

 この構造を応用することで、ブランドを長期的に訴求し続けることにより、生活者の中でブランドに対して安心感や信頼感が芽生え、商品やサービスを購入してもらえると考えられます。また、商品の便益自体は変わっていなくても、生活様式やライフスタイルの変化により、商品の利用頻度や利用方法が変化している可能性があるため、顧客がどのような理由で商品やサービスを選択しているのかを把握していく必要があります。

 発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。