Collexia Marketing Casestudy

キット食品戦略事例:「麻婆春雨の素」の顧客離反防止戦略実現のために生活者に行うべき”競合比較”施策

コミュニケーションケーススタディ

前回の”自分ゴト”フェーズに引き続き、「仕事上がりジム帰りの夜でも手軽&ヘルシーな夕食の準備」というジョブを持つターゲットセグメントが”競合比較”をした上で自社ブランドを選択させるための施策を検討します。ジョブが認識され、ブランドが理解され、自分ゴトと感じることができたターゲットが、競合を選ばない理由を見つけ自社ブランドを選択するために、狙うべきインサイト、示すべき価値提案について解説します。

T O P I C S

・糖質控えめの献立と、余り食材の消費の両立は難しいと考えられている。

・麻婆春雨の味付けなら、だいたいの野菜を入れてもおいしく仕上げられることを知ってもらう。

・中華キット食品は多くあっても、1つだけで完結するのは麻婆春雨の素だけ、という事を知ってもらい、競合商品を選択することを辞めさせる。

戦略のゴール

「野菜炒め等で余り食材を消費しようとすると、主食などの準備も必要になる」という差異に気づかせる。

今回ターゲットとして設定している「意識高めDINKS奥様」の中で、まだ”競合比較”に至っていない消費者は約100万人存在します。この人たちに麻婆春雨の素を買ってもらうためには、「野菜炒め等のおかずを作ることで余り食材を消費しようとすると、主食などの準備も必要になる」という差異に気づかせることが必要です。

発生している障害の解説

余り食材を使うなら他の方法もある

何故、「野菜炒め等のおかずを作ることで余り食材を消費しようとすると、主食などの準備も必要になる」という認識が顕在化されていないのでしょうか。この提案を受け入れる事ができる文脈に必要な要素を探っていきます。意識高めDINKS奥様のカスタマージャーニーを分析し問題を見てみましょう。

総じて意識高めDINKS奥様は「余り食材を使うなら他の方法もある」という障害によって、「野菜炒め等のおかずを作ることで余り食材を消費しようとすると、主食などの準備も必要になる」ということに気づいていないと考えられます。特に自宅でメニューを考えている際にはあまりものを中心に献立を考えるために、気づかないことがあるようです。この障害に着目して、ブランドが現在機会損失して取り逃している可能性がある100万人の潜在顧客のカスタマージャーニーを動かす施策を講じていきましょう。

ターゲットインサイト

糖質控えめ献立と、 余り食材の消費の両立は難しい。 ”昔はごはん+おかずで献立を考えることがほとんどだったが、今は糖質を控えめにして献立を考えているので、お米よりも麺、またはおかずのみ、という献立が多くなった。その結果、ご飯に合わせればあまり食材も炒めれば消費できたが、そばのような麺類だと組み合わせが難しく、食材を消費しきれない日が出たりした。”(31歳 女性 神奈川県)

この生活者は糖質控えめの食事を作ると麺類が多くなり、その結果余り食材を出しがちになっていた、という状況にありました。また、余り食材を使用しようとすると、別にご飯を炊くことになるため、手間も増えてしまいます。このような生活者に対し、”麻婆春雨の素”は他の選択肢よりもより優れた選択であると認識させることが必要です。

ストーリーテリング

「野菜炒め等で余り食材を消費しようとすると、主食などの準備も必要になる」に気づかせるストーリー

麻婆春雨の素の「これ一つで主食になり、余り食材も消費できる」を伝える。具体的なストーリーとしては、冷蔵庫の余り食材をどう消費するかを考えているシーンで、どんな食材でもおいしくまとめられる、という役割を果たすことで、「あまり食材の消費と糖質制限の両立は難しい」から「麻婆春雨の素ならヘルシー簡単だけどあまり食材もおいしく消費できる」という変化を促す[差別化戦略]により、他の選択肢ではなく、麻婆春雨の素を選ばせることが出来る。その際に、他の選択肢と一緒と思われないように、「麻婆ソースはどんな食材もおいしく食べられる味付け」という[機能的優位性]を強調する。加えて、トライアルした後での継続利用を促すために「買い置きして野菜が余ったらまたつくろう」も伝える。

“糖質控えめ献立と、 余り食材の消費の両立は難しい。”

中華は味付けが濃いので

食べ過ぎになりやすい

インサイト2

自分流で料理すると

失敗しやすい

後片付けが

少ない方が楽

インサイト1

インサイト3

麻婆ソースの味付け濃いので 失敗しづらい 春雨を主食に 置き換える 鍋一つで二人前、 汁物なので皿洗いも楽

・・・

・・・

・・・

プロポジション1

プロポジション2

プロポジション3

”麻婆春雨の素と余った野菜で簡単 アレンジ、野菜たっぷり春雨担々麵風。”

「糖質控えめ献立と、余り食材の消費の両立は難しい」というインサイトを持つターゲットに対し、「”麻婆春雨の素と余った野菜で簡単アレンジ、野菜たっぷり春雨担々麵風。”」というプロポジションによって、「野菜炒め等のおかずを作ることで余り食材を消費しようとすると、主食などの準備も必要になる」と気づかせ、麻婆春雨の採用を促す。次のセクションではこのプロポジション―価値提案を用いたクリエイティブを提案する。

クリエイティブコンセプト提案

かんたんも、ヘルシーも、余り食材の消費も これ一つで。 忙しいので食事の準備や後片付けは手間をかけたくない。健康のために糖質を減らして夕食はヘルシーに済ませたい。冷蔵庫に余った野菜を使い切りたい。そんなあなたの欲張りを全部叶えるレシピ、「野菜たっぷり春雨担々麵風」―――永谷園 麻婆春雨の素

ゴール

このクリエイティブが狙うゴールは、糖質控えめ献立と、余り食材の消費の両立は難しい、と考えている意識高めDINKS奥様に対し、”麻婆春雨の素と余った野菜で簡単アレンジ、野菜たっぷり春雨担々麵風。”という価値を提案し、麻婆春雨以外だと、何らかの手間が残ることに気づかせ、麻婆春雨の素を選択させることがゴール。

人物

ターゲットセグメントである”意識高めDINKS奥様”。兼業主婦で子どもはいない。とにかく忙しい。仕事は残業も辞さないし、仕事が終わればジムに通い健康な生活と体形を心掛ける。でも本当は料理が苦手。料理に時間をかけたくないが、家庭をおろそかにしたくはない。夫婦の時間・夫婦の食卓を大切にしたいと思っている。料理のスキルが高くない上に共働きで忙しいので、余計な手間が負担になったり、食材を余らせたりなど、すべてを両立できるような食の準備はあまりできていない。

対比構造

よく知られている描写

「糖質控えめ献立と、

余り食材の消費の両立は難しい。」

糖質控えるだけならできる。余り食材を消費するだけもできる。けど両立して、かつ手間もかからずさっと準備することは難しい。毎回どこかが手間になって負担になることが多い。

 

知られていない描写

「”かんたんも、ヘルシーも、

余り食材の消費もこれ一つで。”」

麻婆春雨の素でつくる、「野菜たっぷり春雨担々麵風」であれば、余り食材も消費でき、鍋一つで2人前作れて掃除も簡単。しかも春雨なのでヘルシーに1食仕上げられると、いいことづくめである。

反感チェック

今回のコピー・ストーリーについて、ターゲットと同様にDINKS女性に対して提示したところ、自身が反感を感じると回答した人は0%(0人/20人)。同じ回答者に対し、「もし反感・炎上することがあるとしたら、どのような理由が考えられるか」と質問したところ、「ジム通いとか、あまり意識高すぎる内容だと地方に住んでると現実味が薄いかもしれない」等が挙がっている。

測定KPI

比較検討をして競合を選ばなかった人の増分を測定

今回の施策の場合、ジョブがまだ認識されていない意識高めDINKS奥様に対し、ジョブがどれだけ顕在化されたかを評価することがこのフェーズにおける指標となります。そのため、キャンペーン展開を行った後に消費者アンケート調査により、施策実施前後で「麻婆春雨の素を使えば主食の代わりになる」と考える人がどれだけ増加したかを測定する等の方法が考えられます。また、実際に競合比較によってどれだけの購買が実現したかの寄与を測定することで、このフェーズが起こした変化による売り上げへの貢献増分を算出することが望ましいと言えます。

 

まとめ

このように、ブランドを理解させるためのクリエイティブとしては、かんたんも、ヘルシーも、余り食材の消費も麻婆春雨の素だけで解決できる、という描写を用いて、「野菜炒め等のおかずを作ることで余り食材を消費しようとすると、主食などの準備も必要になる」という差異に気づかせて、麻婆春雨の素が優れた選択であることに気づかせることが有効と考えられます。このクリエイティブについて展開する媒体としては、店頭で他の食品を選ばせない役割を持たせる必要があるため、店頭POP等を用い、他の食品と並べられている中で優位に立つ必要があります。以上の様に、「麻婆春雨の素」のカスタマージャーニーを「競合比較」へ進めることが出来ると考えられます。

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”麻婆春雨の素”ケーススタディ

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